日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2008/12/25(Thu.) 第52号 1・2・34/4 INDEX
日本の医療を確保するために闘う!
 今回は、医師でもあり、自由民主党社会保障制度調査会会長代理(医療委員長)の鴨下一郎先生と、自由民主党厚生労働部会長、また、社会保障制度調査会副会長の後藤茂之先生にご意見をいただきました。

自由民主党社会保障制度調査会 会長代理
衆議院議員(東京十三区)
医師 鴨下一郎先生

日本の医療を確保するために闘う!(写真) 医療は今、大きな転換期にあります。医師不足が叫ばれ、周産期医療を巡って不幸な事例も起きております。また、ご承知のとおり、国の社会保障費二千二百億円抑制の方針も大きな影響を与えています。
  このようななかで、平成二十年度の診療報酬については、皆さま方の力強い声に支えられて、八年振りにプラス改定ができました。もちろん、まだまだ充分とはいえません。
  また、医師養成数についても、増員の方向に転換しました。これも、その財源的裏打ちが必要であるとともに、医師の地域偏在と診療科偏在の解消にはまだまだ努力が必要です。
  さらに、十一月には、政府の社会保障国民会議から、少子高齢化時代の医療・介護のあるべき姿を検討し、選択肢を示したうえで、追加負担の試算が呈示されました。
  「二千二百億円」に象徴される社会保障費の抑制路線を転換するものといえますが、今後、その財源も含めて国民的議論を深めていく必要があると考えています。少子高齢化の進展と景気後退のなかで、医療を取り巻く状況は厳しさを増していますが、こういう時こそ日本医師連盟が指導的役割を果たすことが必要です。
  日本医師連盟の指導のもと、全国の医師連盟会員が国民の生命、健康を守るため、一丸となって活動されることを強く期待します。
  世界に誇る日本の医療制度を孫の代まで引き継ぎ、国民の生命、健康を守ることが政治の最優先課題と思っています。

自由民主党厚生労働部会長
衆議院議員(長野四区)
後藤茂之先生

日本の医療を確保するために闘う!(写真) 日頃、日本医師連盟の皆さま方には、日本の厳しい医療現場を日々支えていただきますとともに、医療政策の推進に御尽力されていることに心より厚く御礼を申し上げます。
 日本には、いつでも、どこでも、医療のフリーアクセスが保障される世界に冠たる皆保険の制度があります。少子高齢化の進展に伴い持続可能な安定的医療保険制度を責任をもって守っていかねばなりません。また、医師不足、看護職員の不足、救急医療体制の弱体化、医事紛争の多発など医療が崩壊の危機に直面しており、国民の医療に対する不安を解消することが急務です。そのためには、近年の予算編成において行われてきた社会保障費の自然増について、二千二百億円を機械的に削減することは、もう限界に達しており、二千二百億円の削減は断固行わないことといたします。また、経済状況の好転後には、歳出の無駄排除や行政改革に成果を上げたうえで、税制の抜本的改革を行い、社会保障分野にもっと多くの財源を投入していくことも大きな国民的課題となります。
 長寿医療制度については、単に制度を廃止することで問題が解決するわけではなく、公費負担の引き上げ等による枠組みの見直し、七十五歳という年齢のみによる区分のあり方等、多くの方の意見を踏まえ一年を目途に議論を進めていきたいと存じます。医療界にはさまざまな課題がありますが、充分な連携と協力のもと、心の通う温かい医療制度の実現に向け全力を尽くして参る所存です。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

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