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2010/10/27(Wed.) 第63号 1・2/2 INDEX
民主党政策調査会・厚生労働部門会議幹部との「意見交換会」開催
「医学部新設問題」「看護師養成所予算削減問題」で活発な質疑
 十月二十六日(火曜日)、都内において民主党の政策調査会・厚生労働部門会議幹部と日本医師連盟との意見交換会が開催された。本会においては、民主党幹部からは厚生労働部門会議の活動報告、また、日本医師会からは医学部新設問題、平成二十三年度看護職確保対策予算概算要求に対する要望等が説明され、意見交換が行われた。
民主党政策調査会・厚生労働部門会議幹部との「意見交換会」開催/「医学部新設問題」「看護師養成所予算削減問題」で活発な質疑(写真)

 本意見交換会は、民主党政策調査会にある厚生労働部門会議の幹部(別表参照)との初会合として開催された。民主党内では、菅直人代表により政策調査会が復活されており、党所属議員のすべてが積極的に政策に関与ができるようになったことを踏まえ、今回の意見交換会における活発な議論が今後の政策策定に活かされていくことが期待される。
 司会進行は、今村聡常任執行委員により会議が執り行われた。
 冒頭、原中勝征委員長は「社会保障に対する財源不足、少子高齢化問題等のさまざまな課題山積のなかで、日本医師会執行部は専門的な立場から今まで培ってきた経験を生かし、医療・介護分野等について国会議員の先生方とともに問題解決に向けた社会保障制度の充実をはかっていきたい。本会での議論を闊達にしていただき、継続的な開催をお願いしたい(要旨)」と挨拶した。
 続いて、民主党の厚生労働部門会議座長である石毛子衆議院議員は、「日本の財政が厳しいなか、高齢化社会問題等の社会保障に関する課題が山積している。第一線で国民の健康と命を守る医師の先生方にご指導いただき、また、意見交換会等で協議を重ねることにより国民が安心できる制度構築を目指していきたい。政府および民主党として努力していきたい(要旨)」と挨拶をし、意見交換に入った。

事業税非課税措置および四段階税制問題で強力に要請

 民主党の厚生労働部門会議報告として、中根康浩衆議院議員より、平成二十三年度予算編成、内閣改造・新体制と緊急経済対策、今年末に向けての動き等について説明された。そのなかで、党税制調査会の税制改革プロジェクトチームへの要望を三項目((1)医療機関に対する事業税の特例措置の存続、(2)たばこ税の引き上げ、(3)譲渡所得に関する特別控除の特例範囲の拡充)に絞込み、要望を提出している。税制改革PTとのやり取りを鋭意進めていると説明された。
 日医連としても、医療機関の事業税非課税措置および四段階税制の問題について、引き続き政府および党税制調査会へ強力に訴えかけている。

医学部新設問題と看護師等養成所運営事業予算の削減問題について

 続いて、中川俊男副委員長より、医学部の新設問題について、人口および医師数の推移等の統計的データを用いて説明。また、医師養成数の増員だけでは、地域の医師偏在は解消できないことを述べ、「厚生労働省は医師数の受給見通しを継続的に分析し、公開していくべき」と力強く訴えた。
 また、藤川謙二常任執行委員からは、平成二十三年度概算要求における看護師等養成所運営事業予算の削減問題について、地域医療を支えている看護職員の現状および職員養成等の重要性を説明。そのうえで、看護師等養成所にとって非常に重要な運営費補助金が削減されようとしている問題を述べ(各省シーリング枠の一割削減に伴って、前年度予算より六億五千九百万円減の四十二億三千万円、マイナス十三・五%)、前年度予算ベースを是非とも確保していただきたい旨を訴えた。

民主党政策調査会・厚生労働部門会議幹部との「意見交換会」開催/「医学部新設問題」「看護師養成所予算削減問題」で活発な質疑(表)

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