日医連の団結を訴える
挨拶する横倉委員長(中央) |
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今村聡副委員長の司会で開会、横倉義武委員長は次のように挨拶した。
「本日は休日にもかかわらず大勢の出席を賜り、感謝申しあげる。去る七月三日に全国八ブロックから推薦された常任執行委員を交えて初の常任執行委員会を開催し、とりわけ国政選挙への対応について幅広く議論を行った。本日は、委員長指名による常任執行委員の承認と、今後の日医連活動の基本となる活動指針についての議論をお願いしたい。
衆議院議員の任期は来年八月だが、いつ解散総選挙があってもおかしくない情勢になりつつあり、また参議院は来年七月に選挙が予定されていることから、衆議院総選挙と参議院選挙区選挙への対応、そして最大の懸案である、参議院比例代表選挙で組織内候補を擁立すべきか否かの議論を賜りたい。
議論に入る前に、参議院比例代表選挙の組織内候補擁立の是非について一般的な話をさせていただきたい。
まず擁立すべきとする理由だが、『日本歯科医師連盟や日本看護連盟など主要業界団体は概ね組織内議員を有しており、組織を守り団結を強化していくためには、組織内候補を擁立し、選挙戦等を通して組織強化を図っていくことが必要となる』、また、『組織内議員を有することは当該政党に対して一定の政策的理解を得ることができること、とくに高位当選となった場合は、日医連の組織力を誇示することができることが考えられる』。
一方、擁立すべきでないとする理由としては、『与党から組織内議員を出しても、政権交代が起こった時のマイナス面が大きいことや、参議院比例代表選挙は政党からの一括届出制なので非立候補政党からどのような対応があるかの懸念もある』、また、『組織内議員がいても、政策や法案に我々の意向を反映させるほどの影響力はなく、むしろ超党派の医師国会議員へ陳情するほうが効率的とする意見や、国民の政党支持分散傾向を考えると、特定政党からの立候補が前提の参議院比例代表選挙では、候補者がいかに優秀な人材でも、支持を一本化するのは困難とする意見もある』。
このように参議院比例代表選挙での組織内候補擁立には輻輳した問題が多く、現時点で結論を出すのは容易ではないが、過去二回の選挙からいえるのは日医連が一本にならないと必ず負ける。かりに三連敗したなら、日医と日医連の存在自体が問われかねない。そうした点も踏まえて、本日は忌憚のない意見を出していただきたい(要旨)」
常任執行委員 新たに十四人を承認
日医連執行委員会 |
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審議に移り、日医連人事について、横倉委員長が、「日医連人事案については、五月十五日の執行委員会で委任をいただいたが、本日は、各ブロックから選出された八人の常任執行委員と、各都道府県医師連盟の会員数などを参考に委員長指名をした六人の常任執行委員委嘱について、改めて承認をお願いしたい」と説明し、満場一致で承認された。(別記事参照)
続いて、今村副委員長が、「日医連医政活動研究会」について触れ、今後の協力を要請した。(別記事参照)
日医連活動指針案について審議
次に、今後における日医連活動の基本となるべき「日医連活動指針」について、横倉委員長からその素案の説明があり、審議を行った。
第一項「目的」、第二項「活動理念」、第三項「支持政党について」、第四項「政治活動について」の四項目を巡って、執行委員からさまざまな質問・意見が出され、白熱した議論が展開された。
議論を受け、横倉委員長は、「活動指針案については、いただいた意見をもとに、また少しご相談しながらつくっていきたい」と引き取った。(活動指針については、次号以降で掲載の予定)
引き続き、衆議院総選挙と参議院選挙区選挙への対応(下記に記載)を協議した。
【衆議院総選挙・参議院選挙区選挙について
『衆議院総選挙並びに参議院選挙区選挙における推薦候補者については、各都道府県医師連盟からの推薦要請に基づき、時々の政治情勢等を踏まえ、日本医師連盟が決定することを基本とする。また、党派にかかわらず、医師国会議員を中心に日本医師連盟として重点的に推薦する議員(候補)を定め、日本医師連盟並びに各都道府県医師連盟・郡市区医師連盟が一致結束して、当該議員(候補)の当選を期す。
なお、その際、日本医師連盟と各都道府県医師連盟間において意見の相違等がある場合については、真摯に協議の上決定するものとする』】
執行委員からの活発な意見を踏まえて、「衆議院総選挙・参議院選挙区選挙について」は承認された。
組織内候補擁立の是非を議論
「参議院比例代表選挙について」は、組織内候補の擁立を巡り意見が大きく分かれた。
こうした意見、提案を踏まえ、横倉委員長は、「まず、選挙とは関係なく、我々の目指す医療について、国民運動を展開していく方向で考えていきたい。我々の目的は、医療を通じて国民の幸福を追求することであり、それを国民によく理解してもらうことが大切である。まだ時間はあるので、各都道府県でもう少し議論をしていただき、地域医療を守るためにはどういう方向性がいいのか、もう一度議論させていただきたい」と総括し、執行委員会を終了した。
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